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【2024年度】全国の高等学校におけるICT活用実態調査 ~“脱コロナ”で変わる需要、求められる“利用者のゆとり”~

2024-02-08 ニュースリリース
教育出版の株式会社旺文社(本社:東京都新宿区、代表取締役:粂川秀樹)は、高等学校におけるICT機器・サービスの導入状況および活用の実態について、アンケート調査を実施いたしました。今年で8回目となる本調査では、全国計751の高等学校から回答を集計。“脱コロナ”で変化した学校環境におけるICT活用の実態について、多くの具体的なご意見や事例が寄せられました。
この調査結果を受け、旺文社では、各高等学校の実情に則した教育ICTサービスの提供と、活用のためのサポートに取り組んでまいります。

【調査実施要領】
調査テーマ:全国の高等学校におけるICT活用状況についての調査
調査目的 :高等学校現場におけるICT機器の導入ならびにICT関連サービスの活用状況の実態を調べ、
      導入拡大・継続運用のための課題や、今後必要とされるサービス内容を把握する
調査対象 :旺文社独自リストに基づく全国の国公私立高等学校 計5,008校
      *中等教育学校を含む/高等専門学校・高等専修学校を除く
調査方法 :対象校に対してアンケートDMを送付し、Webページにて回答を受付
調査規模 :全751校からのアンケート回答結果を分析
調査時期 :2023年12月上旬~2024年1月上旬
調査発表日:2024年2月6日

【調査結果サマリ】
生徒用端末を導入した高等学校のうち「1人1台」配備の割合は84.9%、校内ネットワークの整備には“質”も問われる
高等学校で導入されている生徒用のICT端末は、校内の無線ネットワーク環境整備が進むことに伴い、「タブレット型」(71.2%)を中心に教室内外で手軽に利用しやすいモバイルタイプが高い支持を得ています。配備の内訳は「1人1台」の割合が8割超に達し、高等学校におけるICTインフラ整備拡大の勢いはとどまる気配を見せません。
校内のネットワーク環境の整備状況は、「校内のどこでも無線でのネットワークを使用できる」(47.1%)の割合が2023年度以前の調査と比較して初の最多となりました。しかし、端末活用上の課題には依然として4割超が「ネットワーク環境の整備」(44.5%)を挙げており、「一斉利用に耐えられない」など通信品質には課題が残る状況です。

ICT活用フェーズに顕在化する人的課題を解決するには、利用者にもたらされるべき時間・労力の“ゆとり”が鍵か
ハード面の整備が進む一方、ICT利用における課題としては、「教員の活用スキル」(83.8%)や「生徒の情報モラル」(67.6%)といった、利用者側の適性や能力を挙げる回答が上位を占めました。
校内に配備されたICTインフラが活用フェーズに入るなか、「専門的な人員や研修の時間が足りていない」や「一部の教員に負担が集中している」など、人的リソースについての問題が顕在化しており、利用者が“ゆとり”を持ってICTの効果的活用に臨めるような環境や組織づくりが求められています。

対応の必要性がますます高まる「情報」・「探究」分野、“脱コロナ”やAI技術の進化・普及で変容するICT活用の需要
ICT活用の必要性を探る調査では、今年度から選択肢に加えた「情報・探求などの授業」(64.6%)が高い回答割合となりました。特に2025年度共通テストから試験科目に追加される「情報I」の指導対応にも、ICT端末・サービスが重宝します。
一方で、コロナ禍で需要の大きかった「オンライン遠隔授業」(43.3%)は昨年から大きく回答割合が減るなど、“脱コロナ”を象徴する傾向もみられました。「校務でAIツールを活用している」や「授業で生成AIについてのトピックを扱った」など、教育現場でも先端技術を取り入れる新しい動きが出てきています。

【調査結果】
高等学校で導入されているICT機器の7割がタブレット型端末 〈図1〉

全国の高等学校で導入・使用されているICT機器についての調査では、「生徒用のPC端末(タブレット型)」(71.2%)で、「生徒用のPC端末(デスクトップ型)」(34.6%)・「生徒用のPC端末(ノート型)」(38.1%)の2倍近くとなり、2023年度の調査の傾向と同様でした。
持ち運んで校内外での調べ学習などに使用しつつ、必要に応じて外付けのキーボードでの文字入力も可能という利用形態の幅広さから、タブレット型端末が支持されているようです。

高等学校で主流化する「1人1台」のICT端末利用 〈図2〉
生徒用モバイルICT端末の導入校のうち、8割超が「生徒1人に1台配備」(84.9%)と回答し、このまま主流となっていくと見られます。

校内ネットワーク環境・ICTインフラ整備の課題 〈図3〉
高等学校におけるネットワーク環境の整備状況についての調査では、「校内のどこでも無線でのネットワークを使用できる」(47.1%)が「校内の通常教室で無線でのネットワークを使用できる」(36.8%)の割合を超えて最も多くなり、2023年度までの傾向と逆転しました。

【回答コメント例】 校内ICT環境についての課題
・「ネットワーク回線が繋がりにくくオンライン授業等に支障がある」(佐賀県/公立)
・「無線LAN環境はあるものの、学校全体での一斉利用に未だ堪えられないため今後の拡充が必要」(東京都/公立)
・「生徒用にWi-Fi専用端末を導入したが、Wi-Fi環境が整っていない家庭もあるため対応する必要がある」(愛媛県/公立)
・「教室のコンセントが少ないため、授業中に端末の充電が切れてしまった生徒が複数いると対応できない」(愛知県/公立)
・「生徒が端末を持ってこない、充電してこないなど、端末管理上の課題がある」(新潟県/私立)

ICTの活用フェーズで顕在化する人的課題 〈図4〉
ICT利用における課題についての意識調査では、「教員の活用スキルの引き上げ」(83.8%)、「生徒の情報モラルの向上」(67.6%)と、人的な課題を挙げた回答割合が上位を占めました。
端末や環境の整備が進んでICTの活用フェーズに入るなか、“使う側”のスキルやモラルについての問題が顕在化しています。ICT活用をサポートする専門家の派遣や教員への研修など、人的支援の充実を求める意見も多く見られました。

一方で、「ネットワーク環境の整備」(44.5%)を課題として挙げた高等学校の割合はと昨年度から微減に留まり、通信品質については今後も更なる向上が望まれています。
また、充電設備の充実や端末不具合への対応などについても、端末の活用が進むにしたがって見過ごせない課題となっています。

【回答コメント例】 ICT活用における課題
・「専門的な教員や指導員等を配置してほしい」(静岡県/公立)(鳥取県/私立)ほか6件
・「専門職員が不在のため、現場に無理が生じている」(静岡県/公立)
・「他の校務が減っていないため、ICT活用について自己研修する時間がない」(千葉県/公立)
・「生徒が指示に従わず、動画サイト・ゲーム・漫画などに使用してしまう」(岡山県/公立)
・「娯楽装置ではなく学習などの機器として利用する意識の向上」(長崎県/公立)

“脱コロナ”や“AI技術”で変容するICTの活用意義 〈図5〉
ICTの必要性を感じるポイントについての調査では、「校務負担の軽減」(78.2%)、「教材のペーパーレス化」(74.3%)が昨年に引き続き高い割合となり、ICT活用による「校務DX※」への期待がうかがえます。
コロナ禍で需要が高まっていた「オンライン遠隔授業」(43.3%)は2023年度の調査と比較して10pt以上の減となり、教室での通常授業が戻った“脱コロナ”の環境変化をうかがわせる結果となりました。
また、今年の調査から選択肢に追加した「情報・探求などの授業」(64.6%)には大きな需要が集まっており、調査・分析・発表といった学習場面に、ICTの活用が不可欠といった意見も多く見られました。
その他、「AIツールをアンケート集計に活用した」や「生成AIを授業の題材にした」など、先端技術を取り入れようとする動きもあるようです。
部活動や委員会、進路指導・大学入試への対応、保護者への情報共有など、授業以外でのシーンについても幅広い活用方法の事例が寄せられました。

【回答コメント例】 ICTの必要性を感じるポイントや活用法
・「進学情報・入学試験等の出願申請、生徒本人への校内成績の開示」(鳥取県/私立)
・「タブレットにスライドを投影して説明するなど、板書の時間を減らして生徒に考えさせる時間を確保」(青森県/公立)
・「総合的な探究の時間の校内発表やその相互評価などに活用」(千葉県/公立)
・「情報科の授業の中で、生成AIの利用についてディスカッションをした」(大分県/公立)
・「AIテキストマイニングでアンケートの記述内容を視覚的に捉えられるように示した」(宮城県/公立)
・「学校-生徒-保護者との情報共有(情報発信・収集)」(岡山県/公立)

※ DX:Digital Transformationの略語。デジタル技術の活用により業務プロセスを改善しながら、組織構造やスタイルなどに質的な変化をもたらすこと。デジタル化により、さまざまな分野で社会課題を解決することが期待されている。

【総括】ICT活用への意識と価値向上に向けた課題
ICT端末の活用状況に関する意識調査では、「十分活用できている」(13.1%)、「まあまあ活用できている」(62.0%)の合計割合が全体の4分の3と、昨年の傾向とほぼ同様となりました。〈図6〉
大半の高等学校に「生徒1人1台」の端末が配備された今、端末運用にかかる負担や抵抗を軽減し、人的な充足も含めた“使う側のゆとり”をいかに確保するかが課題となっています。〈図2〉
これらの課題をクリアし、この先「十分活用できている」の回答割合がさらに増えていくためには、適正な人員配置や組織づくりはもちろん、先端技術等の活用が進んでいる学校での事例を共有することや、具体的な成果がわかるような取り組みが必要と見られます。

今回の調査結果をもとに、今後旺文社では、従来の校務負担を軽減しつつ、先生方が利用効果を実感できるサービスの充実を図るとともに、さまざまなICT活用の実践例を共有するセミナーを開催するなど、教育の場をサポートする取り組みを進めてまいります。

※過去年度の調査結果は、旺文社HPよりご覧いただけます。
(2017年度版)https://www.obunsha.co.jp/news/detail/459
(2018年度版)https://www.obunsha.co.jp/news/detail/509
(2019年度版)https://www.obunsha.co.jp/news/detail/548
(2020年度版)https://www.obunsha.co.jp/news/detail/586
(2021年度版)https://www.obunsha.co.jp/news/detail/643
(2022年度版)https://www.obunsha.co.jp/news/detail/701
(2023年度版)https://www.obunsha.co.jp/news/detail/760

旺文社提供/学校向け教育ICTサービスのご紹介
<英単語マスタープログラム「タンゴスタ!for英単語ターゲット・英検でる順パス単」>
「タンゴスタ」は、英単語学習を支援するために開発されたICT活用サービスです。多くの高等学校に教材として採用いただいている英単語集「英単語ターゲット」・「英検でる順パス単」シリーズのコンテンツが搭載されており、学習の効率化と習慣化による生徒の英単語習得と、確認テストや評価管理の自動化による先生の負担軽減を実現します。
学校現場におけるICT環境の整備が進んでいることを受け、全国の高等学校での導入が広がっており、「生徒に毎日の学習サイクルが定着してテストの成績が向上した」、「音声問題や生徒個別の追試など実施できるテストの幅が広がった」とご好評をいただいております。

●公式サイトURL:https://www.obunsha.co.jp/pr/tangosta

<ほしい問題に出会える「入試正解デジタル」>
「入試正解デジタル for School」は、旺文社刊行の書籍「全国大学入試問題正解」に掲載された大学入試過去問を検索できるWebアプリケーションです。検索機能を通して膨大な書籍収録情報から問題コンテンツを探す負担を軽減し、入試問題演習や授業で使うプリント作成、過去問の研究にお役立ていただけます。また、問題・解答・解説データはWordファイル形式でダウンロードができます。
現在は、英語、数学、国語、物理、化学、生物、日本史、世界史、地理、政治・経済の10科目、最大9年分を掲載。学校のご利用目的にあわせて選べる2つのプラン「全科目セットプラン」と「科目プラン」を販売しています。

●公式サイトURL:https://kakomon.obunsha.co.jp/lp


【会社概要】
学ぶ人は、変えてゆく人だ。


目の前にある問題はもちろん、人生の問いや、社会の課題を自ら見つけ、
挑み続けるために、人は学ぶ。
「学び」で、少しずつ世界は変えてゆける。
いつでも、どこでも、誰でも、学ぶことができる世の中へ。
私たちは、学ぶ人をずっと応援し続けます。

旺文社ブランドサイト URL:https://www.obunsha.co.jp/pr/change/

社名:株式会社 旺文社
代表者:代表取締役社長 粂川 秀樹
設立:1931年10月1日
本社:〒162-8680 東京都新宿区横寺町55 / TEL: 03-3266-6400
事業内容:教育・情報をメインとした総合出版と事業
URL: https://www.obunsha.co.jp/

【本件に関する報道関係者様からのお問い合わせ先】
株式会社 旺文社 広報担当
E-mail:pr@obunsha.co.jp
TEL:03-3266-6400
FAX:03-3266-6849