アプリ・Webを通じて、
学び方の新しい選択肢をつくる。

池田 宏夢 / 事業開発

ロングセラー英単語集の相棒アプリ。
ミッションは、楽しみながら英単語を覚えてもらうこと。

私はいま、「ターゲットの友」※1という英単語学習アプリの企画・開発・運営に携わっています。正直、英単語の暗記みたいな作業は、決して楽しいものではないですよね。それをいかにして「変えて」いくか――。クイズのようなゲーム的要素を持たせたり、成績で競い合えるようなランキング要素を入れたり、耳から単語を覚えられるよう音声素材を駆使したり……。もともと2014年に生まれたアプリですが、サービスそのもののアイデンティティはそのままに、世の中の動きとともに「変わる」ため、常に機能の拡充が重ねられてきました。

大学受験やTOEIC対策など、書籍の『ターゲット』シリーズを愛用いただいている読者の方でも、人によっては1冊の単語集を隅から隅まで覚え切ることは難しい。アプリ「ターゲットの友」は、そんな方々に書籍収録コンテンツをコンプリートいただくための伴走者になってきました。

※1 書籍『英単語ターゲット1900』が1984年に誕生して以来、刊行30周年を記念して2014年にサービスを開始した学習応援アプリ。2021年7月現在までに累計350万ダウンロード、200万人以上の高校生が利用。

アナログ人間だった自分が「何でも屋」になるまで。

「何でもやります!」と言って旺文社に入社し、塾・予備校部門の営業職に配属されました。そんな私がアプリの企画に携わったのは2014年のこと。スマホゲームもアプリも好んでは触らないくらいのアナログ人間でしたから、最初は開発業務を進めるためのタスクをこなすのに必死でした。当時は行き先のわからないジェットコースターに乗って、スリルを味わう暇もなく、振り落とされないように前だけを見ているような毎日だったと思います。

アプリにしてもWebにしても、スマホやPCといったユーザー環境は定期的にアップデートされますし、技術的な変化も著しいため、いまも常に勉強し続けている最中です。入社時に「何でもやります!」と言ったことが、こんな形で実現するなんて想像していませんでしたね(笑)。

シンクロするユーザーの感覚を嗅ぎ取る。
いつの日か、学習者同士が教え合い、学び合える社会に――。

書籍とは異なり、アプリやWebサービスは、ありがたいことにユーザーから日々たくさんのフィードバックが送られてきます。興味深いのは、遠く場所が離れているはずのユーザーの方々が、意図せず全く同じような評価・コメントを、同じタイミングで寄せてきてくれること。時代の変化の中で、1つのサービスを共有する人間同士、異なるユーザーの間に共通の感覚が生まれている瞬間があるのでしょう。それを嗅ぎ取るのも、私の仕事の大切なポイントと感じています。

もう一つ面白いと感じるのは、ユーザーの方々の傾向や学習の進捗度合などが、データとして見えてくるという点です。利用頻度の高い機能、学習のスピードや進度といったデータを分析していけば、もっと楽しく効率的な学習方法をサービスに還元できますし、学習者同士が知識や知恵を教え合い、「学び合える」仕組みもつくっていけるかもしれません。

これまでの学習スタイルといえば、学校や塾の先生に教えてもらうといった仕組みが一般的でしたが、「ターゲットの友」や学習参考書メディア「StudiCo(スタディコ)」※2が新しい「学び」の場になっていく可能性もある。今後は、社会のあり方に変化を生み出すことも意識していきたいと思っています。

※2 2019年にグランドオープンした大学受験生向けの学習参考書・勉強法情報サイト。2021年7月時点で8,000点以上の書目を取り扱うメディアに成長。

私が愛用していた参考書

『英単語ターゲット1900』(当時は3訂版)を高校で配られて、大学受験の勉強でも活用していました。おかげでセンター試験は好成績、国公立大の二次試験会場にも持参して、試験直前まで英単語の復習をしていたのですが、テストが始まってから英語が試験科目にないことに気付いたのは、いい思い出です……。

その大学には何とか入学できましたが、3年生で就職活動の頃、旺文社から内定が出たことをゼミの教授に報告したところ、その先生が『全訳古語辞典』(旺文社)の監修をされていたことが判明! やっぱりこの会社とは縁があったのかもしれません。

いま、学んでいる皆さんへ

勉強でも仕事でも、共通して痛感することは、「わからない」ことをきちんと認識することの重要性です。「知ったかぶり」「わかったつもり」は後で必ずしっぺ返しがあります。

それをクリアするためには、自分で調べるだけでなく、先生や周囲の人に何でも聞いてみること。価値観やスタイルの違う人と話すと、新しい気付きも生まれますし、自分以外の誰かとの間に「聞く・聞かれる」という新しい関係性が生まれます。周りとの関係性は、自分の世界を広げてくれる、新しい「知らない」「わからない」こととの出会いの芽になるはずです。

ターゲットの友

「英単語ターゲット1900」の刊行30周年を記念して企画・開発された、無料で使えるスマホアプリ。英単語学習を楽しく習慣化できるような工夫が詰まっています。

「ターゲットの友」公式サイトへ

StudiCo

2019年4月にグランドオープンした、大学受験の参考書・勉強法の専門サイト。充実した書籍情報と、実際にその参考書を使った先輩たちからのレポートを元に、自分の現状と目標に合った参考書選びや、参考書の有効活用をサポートします。

「StudiCo」へ