17.織田信長はなぜ楽市令を出したのか。
(本文第43問対応)
▶ 解答例・視点・ヒント
- 市場における一切の特権を廃止して自由市場とし,商工業者に自由な営業活動を認め,商人の往来を活発化させることによって城下町の経済的繁栄を図ろうとしたから。
▶ 基本事項の整理
- 織田信長は1577年に安土山下町中に楽市令を発し,座がもつ特権を否定したほか,諸税を免除した。信長の領国の中で徳政令が出されても,この町では徳政を実施しない(=この町では人々の債権は破棄されない)ことを特権としてアピールし,京都へ行き来する商人を中山道を通さずに安土に寄宿させることによって,城下町の経済的振興を図ろうとした。
▶ 補足・発展
- それまで公家・寺社などの荘園領主は,座における本所として特権や権威をもっていたため,信長は市座の撤廃,座商人の特権廃止と座の解体を通して荘園領主の弱体化を図り,商工業を直接支配下に置くことによって中世的な諸秩序や支配体制を打破しようとした。