11.御成敗式目の制定は,どのような歴史的意義をもっているか。
(本文第26問対応)
▶ 解答例・視点・ヒント
- 武家の公家からの精神的な独立を示した武家最初の成文法で,以後,鎌倉幕府の行政・司法の基準として用いられ,戦国大名の分国法や江戸幕府の武家諸法度のようなのちの武家法の手本となった。
▶ 基本事項の整理
- 御成敗式目は,頼朝以来の「先例」と「道理」と呼ばれる武家社会の慣習にもとづいて3代執権北条泰時が1232年に制定した51条からなる武家最初の成文法で,式目制定の趣旨は六波羅探題であった弟の北条重時に手紙で伝えられた。
▶ 補足・発展
- 御成敗式目には所領関係の記事が多いことからみても,所領をめぐって起こる訴訟について,偏りなく公平な裁判ができるような基準を定めたもので,従来の荘園関係の本所法や律令などの公家法の存在は否定しなかったことから,武家側の精神的な独立を示す政策でもあったといえる。