タンゴスタ! for 英単語ターゲット

CASE STUDY 09単語習得の新しい選択肢で
生徒の学習リズムが確立

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福島成蹊高等学校英語科教諭 鈴木 翔馬 先生

『タンゴスタ!for 英単語ターゲット』ご利用データ

対象学年
高校1年生・2年生
利用規模
計22クラス(生徒680名/先生20名)
導入時期
2022年4月ご利用開始
ご利用環境
Surfaceを各生徒に1台ずつ配備
(Wi-Fiでネットワークに接続)

ICT活用の第一歩として導入

本校は中高一貫コース・特別進学コース・文理選抜コース・普通コースの4コースに分かれており、コースごとに学習の到達目標を設定しています。英語科では外部検定の取得により大学入試が有利になることを見越し、英検対策や4技能の習得に注力しているところです。

2022年度入学生から各生徒1台ずつSurfaceを配備し、ICT環境を整えました。高校生のうちからパソコン操作に慣れさせたいと考えており、ICTサービスの導入を推進しています。各家庭にご負担をお願いしてSurfaceを配備したからには、英語科としても「新しいPC端末が英語学習にも活用できると生徒に感じてほしい」と考え、ICT活用の第一歩として「タンゴスタ」の導入を決めました。

利用風景_01

単語習得の選択肢を幅広く提供

どうやって単語を覚えていくかは教員も生徒も非常に悩むところ。見る、書く、発音する、例文の中で…など、何らかのアクションを取りながら自分に合った方法で習得していくことをサポートしています。指導者にできることは、単語を覚えるための選択肢をできるだけ多く用意してあげること。従来は単語帳を開いたり紙に書いたりして覚えようとする生徒が多かったですが、今は“紙よりもデジタル派”という生徒もいます。「タンゴスタ」の導入により、生徒は「タンゴスタで単語を覚える」という選択肢も持てるようになりました。

現在は、書籍と「タンゴスタ」の両方を使うハイブリッド型の学習方法で指導しています。例えば、文理選抜コースでは毎朝の朝学習で「タンゴスタ」から20問ずつテストを配信するほか、週に一度は50問のまとめテストを紙で実施。これらテストに向けた勉強方法を見ていても、テスト直前まで「タンゴスタ」を使ってクイズ形式のトレーニングをする生徒と、書籍を見て覚えていく生徒が半分ずついる印象です。「タンゴスタ」を導入したことで手軽にテストの実施回数を増やすことができましたが、テストを重ねることで生徒がたとえ正答できない問題があったとしても、「前に見たことのある単語だ!」と振り返りによる復習効果が生まれることを期待しています。今後、「タンゴスタ」で学習へ取り組む姿勢を、“主体性”の評価に組み込むことも検討しているところです。

学習リズムの確立がタスク管理を促進

新しいツールを導入したからといって、すぐに単語学習の習慣が根付くわけではありません。「どう使ったらよいのかわからない」という状況を解消するために、文理選抜コースでは朝学習の30分間に決まった学習メニューを課しています。朝学習の時間になったらSurfaceを取り出し、最初の15分間で映像授業を受講、そのまま「タンゴスタ」のテストを受け、最後は紙の手帳に朝学習の内容を記録――。生徒によっては、テストで間違えた単語を「タンゴスタ」や書籍で確認してから1時間目の授業に入ります。この習慣によって、「何をどの順番でやるのか」が自ずとわかり、学習のリズムも生まれました。

生徒の自主性を育てるのももちろん大切ですが、最初から生徒任せだと「何から始めてよいかわからない」という足踏み状態になってしまう生徒もいます。特に初めのうちは教材や課題を与えるだけでなく、取り組む順番まで指定して遅れている生徒にはまめに声をかけるなど、教員がペースメーカー役を担うことが大切だと考えています。「タンゴスタ」のテストを毎日こなしていくうちに、生徒は限られた時間のなかでタスクの優先順位をつけ、だんだん自分たち自身でスケジュール管理もできるようになりました。もともと紙の手帳を使ったタスク管理を促していましたが、「タンゴスタ」で学習のリズムが生まれたことにより生徒自身でスケジュールを立てやすくなったようです。

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生徒・教員・保護者の“3人4脚”意識

「タンゴスタ」を導入したことで、他教科の先生も単語学習の取り組みに関心を持ってくれるようになりました。朝学習の時間にテストを配信しているので、クラス担任にも単語学習の状況を見てもらえるようになり、教員間のコミュニケーション量が増えたと感じています。本当は教科の枠組みを越えて、生徒の学習状況について話し合うのが理想ですよね。教員の中にはデジタル系が苦手な方もいますし、何より我々世代は自分たちが学生だった頃にデジタル機器を学習利用したことのないケースがほとんどです。教員同士で教え合いながら新しいツールに少しずつ習熟していくほか、迷った時は生徒たちに使い勝手や理想的な利用方法を聞いています。そういう意味では教員と生徒のコミュニケーションも増えたと言えますね。

このほか、学年通信で「タンゴスタ」のテスト成績ランキングを掲載し、生徒と保護者に取り組み状況を共有するといったことも。実際に単語を覚えるのは生徒自身ですが、生徒・教員・保護者の“3人4脚”で取り組む意識が大切です。生徒にPC端末を持たせたタイミングで教員にもPC端末が配られたので、「タンゴスタ」の操作方法を覚えることがデバイスの使い方をマスターするきっかけにもなりました。この調子で生徒も教員も一緒に、学校全体でICT化を進めていきたいです。

受験生と最後まで走り抜ける

2024年度はいよいよ「タンゴスタ」を使っている学年が受験生になります。最後の最後まで活用して受験生と走り抜けたいので、今後は受験対策としての使い方も探っていきたいです。「タンゴスタがあったおかげで合格できた!」と生徒に言ってもらえたら、「先生のおかげ!」と言ってもらうより嬉しいかもしれません。

教員は単語テストの準備や採点のために費やす時間がぐっと減り、生徒の学習状況が詳しくわかるようになったので、メリットを実感できています。同じように生徒にも「タンゴスタで学習を続けていくと力がつくんだ!」と、活用のメリットをより実感してほしい――。「タンゴスタ」で取り組んだ出題形式と類似性のある英検や模試の問題について、得点率の相関を調べて学力向上の証左としたり、効果を上げている他校の取り組みを聞いたりして研究を重ね、「タンゴスタ」有効活用の“福島成蹊メソッド”をつくっていきたいです。また同様に「タンゴスタ」にも、AIなどの先端技術を取り入れたさらなるアップデートを期待しています。

利用風景_03