高校総合的研究 シリーズ

総合的研究 論理学で学ぶ数学――思考ツールとしてのロジック

  • 長岡亮介 著
読者対象
一般,大学生,高校生

学習レベル

  • 基礎
  • 標準
  • 応用
  • ★入試対応
  • 価格 : 2,200円(税込)
  • 発売日 : 2017年05月30日
  • ISBNコード : 9784010377048
  • 図書分類コード : 7341
  • 本冊 : A5判 / 152ページ / 2色刷

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内容紹介

●「伝説の講義」を書籍化
長岡先生の伝説的夏期講習『数学的数学考究』を書籍化しました。最高レベルの数学参考書です!
●長岡先生から皆さんへ
本書の目的は、数理論理学の記号と方法を、数学自身の理解の深化を目指して実践的に講ずることである。扱う素材は、主として、多くの読者に親しみのある高校数学、あるいは大学入試の問題であり、これらを数理論理学の道具を使って理解しなおすことにより、すでに知っていると思っていた世界が違って見えてくる、という経験の――望むらくは驚愕と感動に満ちた――場を提供しようとするものである。最初は見なれぬ記号や従来からの知識と異なる発想にとまどいを感じるかもしれないが、その困難を克服して本書に述べられる方法と概念を自分のものにしたとき、新しい認識を獲得することの誇らしさと喜びを感じてもらえると思う。(序文より)

目次

    記号論理の主題による数学的変奏曲

    第1章 前奏曲
     1.1  兄と弟の対話
     1.2  弟とその女友達との対話
    第2章 主題
    ■理論編
     2.1  数学と論理
     2.2  命題と条件
     2.3  論理演算子(logical operator)
     2.4  組み合わされた論理演算子
     2.5  条件と論理演算子
     2.6  条件の真理集合
     2.7  論理演算子と真理集合
     2.8  量化記号(∀と∃)
     2.9  量化文の成立条件
     2.10 量化文の内部構造
     2.11 量化文の否定
     2.12 量化文の成立と条件の真理集合
     2.13 量化記号の分配則
     2.14 量化文の中に残っている自由変項
     2.15 量化記号の順序
     2.16 数学と論理学
     2.17 集合を介した数学と論理の関係
    ■演習編
    第3章 変奏
    ■理論編
     3.1  写像の値域
     3.2  関数の値域
     3.3  点の軌跡
     3.4  変換の像
     3.5  対応の値域、曲線の通過する範囲
    ■演習編
    第4章 練習

編集担当者の声

その昔、この本の元になる講義を聞いて、長年疑問に思っていたことが「氷解する」という経験をしました。これほど「すっきりと気持ち良くわかる」ことは他にはない!というほどの経験でした。
本書のあとがきに次のような文章があります。
『本書の元になった受験生用の教材を作成したきっかけは、筆者の眼から見てもまともに理解することのできない珍妙な「模範解答」の書かれた参考書についての質問を繰り返し受けたことであった。(中略)「理解できないのがむしろ正解なんだよ!」と答えざるを得ないのは、筆者にとっては、大きな苦痛であった。まじめで、真剣な若者が一部の大人の独り善がりと無責任のために、「自分の理解力のなさ」を無用に悩んで過ごしているように映ったからである。』
今でも、私(編集者)のように、無用に悩んでいる人達がいるのではないかと思います。その方々に「すっきりと気持ちよくわかる」経験をしていただきたい、是非、この本を手に取っていただきたい、と考えています。もし書店で本書を見かけましたら、p.8の「兄と弟の会話」、p.12の「弟とその女友達との会話」、そして「あとがき」だけでもお読みいただけたらと思っています。

著者紹介

長岡亮介(ながおか・りょうすけ)先生は、長野県生まれの横浜育ち。東京大学理学部を経て、東京大学理学系大学院博士課程を修了。津田塾大学助教授、大東文化大学教授、放送大学教授を経て、明治大学理工学部特任教授(2017年3月まで)。還暦から古希まで約10年間、数学教育をメインテーマとして思索する好機を与えられたことに感謝して、「数学史」と「数理哲学」の<実践的な統合>のために、残された時間を貪欲に使っていきたいと考えている。