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『笑う門には福来る』―これはほんとうです。 笑いの絶えない家庭には幸福が訪れるという意味です。 たしかに、「笑い」は家族みんなの心を明るくします。 だから、
福の神がやってくるのです。
このような、 人として在り方を短く語っていることばを「ことわざ」といいます。 日本では、 このようなことわざが、 昔からたくさん使われてきました。
日本人の知恵のかたまりです。
明治以来、 日本は外国に追いつけと、 特にヨーロッパやアメリカの知識を学ぶことに力を注いできました。 ところが、 最近、 世界で活躍するためには、
まず自分自身を、 自分の国をよく知っていなければならないことに気づき、 方針を変えて、 小学校から、 日本の昔からの知識を学ぶことに力を入れることにしました。 そして、
ことわざなどが教科書にたくさん取り入れられるようになりました。 ことわざの勉強が、 いちだんとだいじになってきたのです。
その期待に応えるのが、 この本です。 270のことわざを、 小学生にもわかるようにやさしく説明しました。 さらに、ことばに親しみ、 理解を深めるために、
絵も入れました。 そのたくさんの絵を描いてくださったのは、日本を代表する絵本作家の五味太郎先生です。 おかげで、たいへん楽しい本ができあがりました。 どうぞ、
楽しくページをめくり、楽しく読んで、 楽しく学んでください。そして、「ことわざ大好き。」「ことわざ博士に。」
・・・そんなみなさんになってもらいたいと思います。
「はじめに」より
「光陰矢の如し!」とか「虎穴に入らずんば虎子を得ず!」とか「人事を尽くして天命を待つ!」なんて調子のことわざを見ていると、 なんだかちょっと人生大変そうで、
なんとなく気が重くなるようなところがありますけれど、 ま少し落ち着いて、 のんびりと考えてみれば、「光陰矢の如し」ってことは「時間はわりあいどんどん過ぎていっちゃうものですから、
あんまりぼんやり、だらだらしていちゃダメよ」ぐらいの意味だろうし、「虎穴に入らずんば虎子を得ず」にしたって、 虎の子を捕まえようと思ったら、
怖い親虎のいる虎の穴の中へ入っていかなければならないのよ、 覚悟はできてる? なーんてことを言っているわけで、 「入らずんば」あたりがちょっと重いけど、けっこうバカバカしい話をしているわけですよ。
「人事を尽くして天命を待つ」なんて、 その字面からしてさらに緊張してしまうのですが、 これとて「いろいろやっても最後は運よね・・・」ってな雰囲気に満ちているはずなのですが、
「人事」とか「天命」なんて強気に出られると素人はちょっと腰が引けて、 そう、イメージとしてはかのタイタニック号の船長さんあたりの悲愴な姿が浮かぶわけで、
うーん、 人生かなりキビシイんだ、 ガンバラなくちゃ、 などとなってしまいそうで、 ことわざなど学習しているとロクなことはないね、 とちょっと思うわけです。
ところがそれは違います。 ことわざファンの僕としては、 是非みなさまにことわざの本質というものをお伝えしておかなくてはなりません。 つまり、
ことわざというもののいい所はけっこうくだらないことをちょっと重ために言う、 ゆえに少しカッコいい、というところなんですね。 そこがことわざパワーなんです。 わーっ、もう夕方だ! やばい! 早く帰らなくちゃ! なんて時「おお、光陰矢の如しだなあ・・・」なんてやればなんとなくわかっているようでカッコいいわけです。お試し下さい。
ことわざコラム カッコいい!「ことわざ」より