小学生のための漢字をおぼえる辞典の主な特長

  • 新教育漢字1026字に完全対応!
  • 紙面はオールカラー。学年ごとに色分けされて漢字がさがしやすい。
  • すべての漢字にふりがなつき、1年生から6年生まで使える。
  • 学習指導要領に対応、ことわざや慣用句・故事成語を多く掲載。
  • 常用漢字表に完全対応。
  • 1026字すべてに五味太郎さんのカラーイラスト入り。
  • 開きやすく閉じにくい、じょうぶな製本。
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川嶋先生からのコメント

1976年といえば、今から42年前です。当時は「漢字辞典の使い方」を学校で習うのは、小学校高学年からでした。そのため、漢字は1年生から学んでいるにもかかわらず、1年生から自分で勉強するための辞典は、ほとんどありませんでした。
そこで、小学生が低学年のうちから、復習だけでなく、自分から漢字の予習もしたいという要望に応えて刊行したのが、旺文社の「漢字をおぼえる辞典」です。 「小学生のための」ということばも添え、絵をふんだんに入れ、低学年の児童にも親しめる内容にしました。画期的な刊行だったため、たいへんな評判を呼びま した。
この「漢字をおぼえる辞典」をまず手にとって利用した人は、実は児童より、保護者より先に、学校の先生でした。たくさんの先生の机の上に、この本が置か れ、使われました。私がパリに行ったとき、フランスで最も有名な大学の日本語の授業では、この本が使われていました。
また、全国の児童からは、「この本のことについて書いたら、作文コンクールで特選になった」とか、「研究発表会でこの本について語りたいので、編者の小学生のころの勉強法を教えてほしい」などのうれしい便りが相次ぎました。
内容面のほかにこの本が児童の人気を集めたのは、五味太郎先生の挿し絵です。この本を作るに当たって、五味先生を紹介されたとき(先生はまだ青年でした が…)、お会いした瞬間、「この方は、今に日本の絵画界を背負って立つ!」と、私は直感しました。そしてそのとおり、五味先生は今や押しも押されもせぬ、 日本を代表する画家として活躍されていらっしゃいます。
文部科学省は国語教育の内容を改め、日本古来の文化を重視することにし、指導内容に古文等を広く導入することにしました。ことわざ・慣用句なども数多く扱うようにしました。
そこで、この「漢字をおぼえる辞典」にも、ことわざ・慣用句を大幅に取り上げ、漢字だけではなく、いっそうことばの勉強の辞典に仕上げる工夫をしました。そして、常用漢字にも対応させて、読みや使い方なども入れ替えました。
また、2020年からは小学校で習う漢字が20字増え、1026字になります。2018年から移行措置が始まりますので、いちはやく20字を追加した第五版を作りました。
初版発行から42年、兄弟姉妹のみならず親子二代にわたって使ってきたという報告も多数頂いております。そして、さらに新しく小学生になる人たちにも、この本が大きく役立ってくれることを念じています。
どうぞ(もう一度いいますが)、児童だけでなく、保護者の皆さんもこの本を手に取って楽しんでください。
川島 優
この本をかいてくださった先生方

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五味先生からのコメント

初版の絵を描いた1976年は、絵を描いて仕事をしたいなという時期。31歳、グラフィックデザインやイラストレーションの仕事をしながら、絵本を描き始めていた。
そんな時、古い友人と街でばったり会って、1000個をこえる「漢字」を絵にするという仕事をすることに。そのときは、気楽にやっていたよ。1000個は大変だったけれど。

それまで、要請を受けて絵を描くことはなかったから、好きでもきらいでもないものを描くことで、トレーニングになった。描いた結果が今も残っている。すごいことだね。それ以来、かっこよく言えば、何でも描けるなあって。

絵を描く中では、抽象的なものは本当にむずかしかった。
「右」は「右手」を描いたり、「成」は「宇宙ロケット成功」というように熟語を作って見せていくこともやった。「信」は、「信号機」を描いたね。

若き日の五味太郎が「何でこういう風に考えたか」をたのしんでほしい。今見ると、自分でも感動するものも多いよ。
読み手とずれたりするのもおもしろい。これは違うな、というのもありだよね。

字は生き物だと思う。
字は固定しない、動いてしまうもの。
その生き物・動くものを、五味太郎がこういう方法でつかまえた。
それをたのしんでほしい。

五味 太郎


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